ヤゴがエサ食べない状態になって困っている時に、かつおぶしやしらすを与えていないでしょうか。ヤゴはほとんどの水生生物をエサとするため、「かつおぶし」や「しらす」も食べてくれるはずですが、ある日突然エサ食べない状態になることがあります。
これらのかつおぶしやしらすは比較的低価格で家庭にも置いてあるため、気軽にヤゴのエサとして利用する方も少なくありません。しかし、以前は普通にヤゴが食べていたのに急に食べなくなると心配になり、餌となる昆虫や生物を捕まえたり市販品のエサを購入するのも大変です。
この記事を読むと、なぜヤゴがエサ食べない状態になることの原因がかつおぶしやしらすにあるのかが理解でき、もしヤゴがエサを食べなくなった時にどのような対処をすれば良いのかを知ることかできます
ヤゴがエサ食べない時に確認すべきこと
ヤゴがエサ食べない状態になる理由には、基本的に生きエサしか食べない事と羽化の時期には食べないという2つがあります。ヤゴは肉食で小型の水生生物や昆虫であれば何でも食べますが、動いているものに反応して捕まえて食べるという習性があるため動かないものにはなかなか反応してくれません。
羽化の時期はヤゴの身体をルーペを使って拡大して観察すれば見分けることが可能で、この頃になるとエサ食べない状態となり羽化をするための準備に入ります。幼虫になったばかりの頃は翅芽と呼ばれている箇所に気管が白い筋として見えます。
ヤゴの羽化が近くなると翅芽の付け根から褐色の網の目のような筋が作られ、これがやがて成虫になると翅脈に変化します。この時期になるとヤゴの複眼の部分が褐色になり、外側へと広がっていき独特の大きな複眼を作り出します。
さらにヤゴが成長を続けるとこれまで翅芽の中に見えていた翅脈が見えにくくなるのと同時に翅芽が膨らみ、その中には翅が折り畳んだ状態で収まっています。続いてヤゴの下唇の中にある筋肉が退化して透けて見えるようになり、ついにエサを食べないようになります。
この段階に入るとヤゴの翅芽は破裂しそうなほどまで膨らみ、複眼にも透明感が出てきます。これまでは水生生物としてヤゴはエラ呼吸をしてきましたが、胸部の気門が開いて呼吸ができるようになり、水面から身体を出すことが多くなります。
日頃からヤゴを観察していないとその変化にはなかなか気付きにくいですが、ヤゴが水面から身体を出す行動は分かりやすく判断することが可能です。
ヤゴのエサとしてかつおぶしやしらすを与える裏技
ヤゴがエサ食べない状態となっても、外に出して生きた水生生物や昆虫を捕まえてきたりペットショップで市販品のエサを購入するのも大変です。その一方で、比較的安く購入できヤゴにとってエサとなるはずのかつおぶしやしらすを食べてくれなくて困ってしまう場合もあります。
そんな時に役立つ最も簡単な裏技は、箸やピンセットなどで「かつおぶし」や「しらす」摘んでヤゴの目の前でユラユラと揺らすことです。ヤゴは動いているものに反応して食いつく習性があるため、視界に入る場所で揺らせばほとんどのケースで食べてくれます。
エサの端を掴んでユラユラと揺れる部分をできるだけ長くして振れ幅を大きくし、自然の波に揺られてそこに本物の水生生物や昆虫がいるかのように、しなやかに揺らすのがコツです。
しかし、この方法では慣れが必要であり、ヤゴに食べてもらえるまでに一定の時間を要します。特に気温が高い季節になるとヤゴの食欲が旺盛に成るシーズンなので、ヤゴへ1日に2回程度エサをあげなければならずお仕事や学校が忙しい方にとっては大変な負担となります。
そのような問題を解決するには、少々費用が掛かりますが水槽に空気の出るエアレーションやエアストーンを入れて水流を作り、そこにヤゴのエサを投入する方法があります。
あまりエアーの出るスピードが速すぎるとヤゴがエサを捕まえられない状態にもなり兼ねないため、速度が調整可能な機種を用意してゆっくりと空気が出るようにするか、大きめの水槽を用意してエアレーションやエアストーンから距離を置いた場所にエサを投入してゆっくりと揺れるようにします。