ムカデの毒はお湯や熱に対して弱い理由と、万が一噛まれたときにやってはいけないことをご存知でしょうか。ムカデは冬の間は冬眠し、暖かくなる春先から涼しくなる秋口まで活発に活動する昆虫です。
誤ってムカデに触れてしまうと鋭い顎で噛む行動を起こし毒が存在するので、痛みが生じることとなります。ムカデに噛まれてしまったら、その毒の特徴をしっかりと理解しておくと速やかな対処が可能となります。
この記事を読むと、万が一のハプニング時にムカデの毒がお湯や熱に弱い理由と対処としてやってはいけないことを知る事ができます。
ムカデの毒がお湯や熱に弱い理由
ムカデの毒がお湯や熱に弱い理由を詳しくご紹介していきます。ムカデに噛まれると大きな痛みが生じることで、ハチの様に刺されたと表現されますが、実際には噛まれただけです。
ただ、ムカデは噛むと同時に毒素を放出するので、それが皮膚に触れた状態になると傷口から侵入してズキズキうずくような痛みの他に、しびれや赤く腫れる炎症、かゆみを引き起こすことがあります。
他にもハチに刺されたのと同じように、人の体質によってはムカデの毒でアナフィラキシーショックを引き起こすことがあるので注意が必要です。ムカデはハチのように針を注入するのではなく、大顎と肢の先の爪でまず肌を傷つけ、その根元に存在する腺から毒を塗り付けるスタイルです。
もっともこのムカデの毒は熱いお湯や熱に弱い傾向があり、それで適切に毒を弱めて流し落とすことで十分に対策を行うことが可能になります。もちろん冷やしたりぬるま湯に浸すことはムカデ毒に対して優れた対策にならず、42℃以下のぬるま湯では逆に効果がなく、43℃から45℃ぐらいのお湯が一番、効果にも優れています。
ムカデ毒の対処は43℃以上の熱いお湯の温度を維持しながら、シャワーや蛇口などから5分~10分以上の時間をかけて洗い流す形で対策を行っていくことがポイントになります。
注意する点では43℃以下のぬるいお湯であると、ムカデ毒を逆に活性化させてしまうので余計に症状が悪くなってしまう懸念が生じることが多いです。ムカデ毒が熱いお湯や熱に弱い理由は、酵素毒と言われているからで実際に熱を与えることで、その成分を変化させることができるからとなります。
ムカデ毒の成分自体はタンパク質の仲間であるため、熱いお湯や熱によって活性化を阻害させることが可能です。早めに対処を行うことで炎症などを防ぐことが可能なので、ムカデに噛まれたら速やかに毒を熱いお湯や熱で流し落とし活性化を阻害させます。
ムカデの毒が回りやすくなるやってはいけないこと
続いて、ムカデの毒が回りやすくなるやってはいけないことについて解説していきます。ムカデに噛まれたら、いきなり激痛が来るよりも毒の付着状態によって徐々に浸透していくので、ズキズキ疼くような痛みを得ることが多いです。
それとムカデに刺されてからその毒を熱いお湯や熱で対処せずに放置しておくと炎症を引き起こしたり、強烈なかゆみを起こすこともあります。
実際に多くの方がムカデに噛まれた場合に行う間違った対処は、保冷材などで冷やしてしまう、42℃以下のぬるめ湯で洗い流すこと、毒が注入されたと勘違いして吸いだすことです。
いずれのムカデの毒の方法も正しい方法ではなく、まず保冷剤で冷やすことは逆に痛みをひどくしてしまうことが多くなります。もっともムカデの毒をお湯や熱で洗い流すことは適切な処置ですが、それが42℃以下ぬるいお湯だと効かないでさらに痛みなどを活性化させてしまうことも多いです。
適切な処置はやけどに注意するほどの43℃以上の高熱のお湯によって洗い流すことが一番の優れた方法になります。もちろんムカデ毒を口で吸い出すことはもっての外で、口内の腫れを引き起こしたり、最悪の場合には気道閉塞を起こす懸念も存在します。
そのため、ムカデに噛まれた患部を口に含む方法は、体内に有害物質を入れてしまう結果になるため適切な処置でないです。ムカデ毒は酸性の性質を持つたんぱく質となりますので、アルカリ性を主体にしたシャンプーや石鹸を付けて洗い流す方法がより効果を高めることができます。
ムカデ毒の酸性とアルカリ性の石鹸やシャンプーが混ざれば、中和作用があるため、毒の威力を取り除くうえでも優れています。なお、シャンプーなどでは弱酸性のものも存在するので、くれぐれも使うべきシャンプーや石鹸の性質を知っておくこともポイントです。