ムカデの毒はどこにあるのか、疑問に感じたことはないでしょうか。温かくなるとゴキブリなどを狙って室内へと侵入することもあるムカデ。そのムカデの毒はとても強いことで知られていますが、実際にどのくらい毒が強いのか、そして毒はどこの部位にあるのか気になるものです。
この記事を読むと、ムカデの毒がどこ蓄積されていて、どのくらいの強さを持っているのかを知ることができます。
ムカデの毒はどこにあるのか
ムカデの毒はどこに蓄積されているのか、詳しくご紹介していきます。ムカデに刺された、噛まれたなどさまざまな言い方で表現されることがありますが、正しくは「噛まれた」ということになります。
そのムカデの毒はどこにあるのかというと、牙の部分で、この鋭い牙を生物の皮膚に噛みつきかせて毒を浸透させながら相手を痛みで苦しめるのです。このムカデの牙は「顎肢」とも呼ばれ、その中に毒が蓄積されています。
ところが驚くことに、ムカデは最初から噛みつくわけではありません。まずはムカデがたくさんある足を使って、相手の皮膚の表面に広範囲に傷を付けます。ほんのかすり傷程度ではありますが、細かい傷が無数に付けられているのです。
その擦り傷の数が多いことにより、後にムカデが吹き付けた毒が相手に浸透しやすくなるという仕組みになっています。ムカデが相手に傷を付けたあとには、牙で噛みつくだけでなく、無数の傷にも毒を吹き付けるというのがムカデの常套手段となっています。
これらのムカデによって無数に付けられた傷の存在が、特有のするどい痛みと腫れが広い範囲にわたる理由なのです。いつかムカデに出会った際にはつい頭部に注意がひきつけられてしまいますが、牙だけでなく足に触れないようにする必要があるということになります。
お腹を空かせたムカデの動きは速いと言われていますので、どこに注意すべきか心得ておくと、いざという時にきちんと対応することができます。ムカデに噛まれると激しい痛みを伴いますので、ジャンプしてきたり、襲い掛かってきたりした時にも慌てずにまずは靴やスリッパを履きましょう。
ムカデの毒がどこにあるのか、その注意するべき部位を知っておくことは、私たちのムカデへの最大の防御となるのです。
ムカデの毒性の強さと成分
続いて、ムカデの毒性の強さと成分について詳しくご紹介していきます。ムカデの持つ毒には、3つの成分が含まれています。そのうちの2つは痒みをもたらすヒスタミンと幸せホルモンと呼ばれるセロトニンであり、残り1つはタンパク質性の酵素です。
このムカデの毒の成分の中でヒスタミンはアレルギー症状を引き起こす成分として知られていて、かゆみのほか、じんましんや腫れ、強い痛みなどを発生させます。
また、ムカデの毒に「なぜ幸せホルモンが?」、と考える方も多いかもしれません。幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」は神経に作用するのですが、その際にかゆみを発生させるヒスタミンの作用を促進してしまうのです。
そして3つめのタンパク質性の酵素は、細胞を破壊しヒスタミンを染みこませる作用を持っています。すでにお分かりの通り、この3つの成分の相互作用によりムカデの毒はより浸透しやすく、効果も倍増されるという厄介な仕組みになっているのです。
では、そのムカデの毒性の強さはどのくらなのでしょうか。ムカデに噛まれると激しい痛みが伴うものの、毒性に関してはそれほど強烈に強いというものではないです。
同じように強い毒を持つことで知られるスズメバチとは、ムカデの毒は比較にならない程度ということですが、抗体の過剰反応であるアナフィラキシーショックには十分注意が必要です。
ムカデの毒そのものには相手を即座に死に至らせるほどの毒性があるわけではありませんが、アナフィラキシーショックによって死亡する可能性もあるということは覚えておきましょう。いずれにせよ、ムカデに出会ってしまったらさまざまな手段を使ってでも接触は避けることが重要です。