カマキリに寄生虫ハリガネムシがいる確率は、どれくらいだと思いますでしょうか。自然環境下では、カマキリは寄生虫の母体宿主としてターゲットとされています。しかし、一体カマキリがどのように水の中に生息する寄生虫ハリガネムシによる寄生を受けてしまうのか、不思議に感じます。
この記事を読むと、カマキリに寄生虫ハリガネムシがいる確率とそのメカニズムを知ることが出来ます。
カマキリに寄生虫のハリガネムシがいる確率
カマキリに寄生虫のハリガネムシがいる確率について、詳しく解説していきます。寄生虫ハリガネムシは中間となる寄生対象を経て、食物連鎖のメカニズムを利用しつつカマキリなどの最終寄生対象の昆虫の体内に入り込む高度な戦略をとっている寄生虫の一種です。
その母体宿主でかるカマキリに寄生虫ハリガネムシがいる確率は、母体の対象が食べる餌の種類によって異なるのが特徴です。たとえば、水で生活する昆虫をターゲットとするカマキリは、主にカゲロウなどの水陸両生が可能な昆虫を餌としています。
このカゲロウは主に水中の微生物を食しているため、そのなかに寄生虫ハリガネムシの幼生も一緒に食べてしまっている確率が非常に高く、そのカゲロウを好んで食べる種類のカマキリなどの母体もまた寄生されるパーセンテージが高くなるという特徴をもっているのが最大のポイントと言えるでしょう。
さらに、最終寄生対象のカマキリは数ある種類のなかでもこういった水陸両生の昆虫を餌とする場合が非常に多いため、より寄生されやすい環境にいるとされています。
結果として、成虫となったカマキリの母体に寄生虫ハリガネムシがいる確率そのものは全体の約70%~80%におよぶという計算も出ており、食物連鎖を利用した寄生方法が非常に有効であるというメカニズムの証明にもつながっているといえます。
特に寄生虫ハリガネムシに寄生されるカマキリの確率割合が多いのは、やはり両生の昆虫を好んで食する種類のカマキリで、その場合の割合は平均値よりもさらに高まるという計算も出ています。
このように寄生虫ハリガネムシがカマキリに宿っている確率は、非常に高いというのが特徴と言えるでしょう。また、水辺の少ない地域に生息しているカマキリは、寄生虫ハリガネムシがいる確率は若干低くなります。
カマキリに寄生虫のハリガネムシが宿るメカニズム
カマキリに寄生虫のハリガネムシが宿るメカニズムについて、詳しく解説していきます。カマキリやその他の昆虫、あるいはお魚などに宿って成長をする寄生虫の一種として、ハリガネムシがあります。
この寄生虫がカマキリに宿るメカニズムは食物連鎖を利用したところによる場合がほとんどで、ハリガネムシは幼生となっても主に水中で生活しており、それをカゲロウやユスリカといった水中で行動をするあるいは水中の生き物を餌としている昆虫が食べます。
そして、そのハリガネムシの幼生を捕食した昆虫をカマキリが捕えて食べると、自然と寄生虫が宿った昆虫を食べていることになります。結果として、ハリガネムシは最終的な目的である母体のカマキリに宿ることにつながるのが主な一連のメカニズムです。
通常は水中で生息しているためハリガネムシは、そのまま最終的な目標である母体の対象の陸上昆虫などに直接宿るなどとすることは非常に稀とみなされております。何らかの偶発的なケースを除けば、たいていは食物連鎖を利用した寄生方法をハリガネムシはとっています。
この寄生虫ハリガネムシの幼生に宿らされた最終の対象への中間的な意味合いをもつ昆虫なども、ハリガネムシに寄生されることでその動きが鈍るという特徴をもっております。
それは寄生虫ハリガネムシの幼生が宿主の栄養を吸い取っているためである点と、より大型の最終対象に捕獲されやすくするためという非常に高度な戦略をとっていることも特徴のひとつと言えるでしょう。
このようにカマキリなどの最終目的の昆虫に宿る寄生虫ハリガネムシのメカニズムは、主に食物連鎖を利用したケースがほとんどとなっており、対象は宿らされている虫そのものを餌と共に体内に取り込んでしまうため、自分が寄生虫を取り込んでしまったという自覚を持ちません。