アシダカグモの子供の特徴と大きさ、そしてその数が大量となる理由について知りたいという方はいないでしょうか。誰もが一度は経験したことがある家の中に大きくて足の長い巨大なクモがいると、かなりビックリして冷や汗をかく経験。
アシダカグモは日本の家屋に出るクモの中でも最大級と言われており、苦手な人もいると思いますが、実は益虫といって人間にとってメリットがある昆虫です。この記事を読むと、アシダカグモの子どもの特徴や大きさ、数が大量になる理由が分かり、成長過程についても理解することができます。
アシダカグモの子供の特徴と大きさ
まずは、アシダカグモの子供の特徴と大きさについて詳しく説明していきます。大きくて足が長く褐色のアシダカグモは、人間に悪影響がある毒はなく、とても臆病な性格で私たちには全く害がないクモです。
家の中に潜んでいるゴキブリなどを捕獲してくれて、アシダカグモがたった2~3匹いるだけで、家にいるゴキブリを全て駆逐してしまうこともあります。日本ではアシダカグモは本州以南に生息して、あたたかい家なら一年中見かけることがありますが、特に6月から8月によく見かけるクモです。
また、アシダカグモは一般的な蜘蛛のように糸でクモの巣をはらず、徘徊するハンタータイプです。アシダカグモは獲物を見つけた時や逃げるときなどに動くスピードはとてもはやいので、捕まえようと思ってもはやくて捕まえることができなかったことがある人も多いと思います。
さらにアシダカグモは、ゴキブリの他、ハエや小型のネズミまで捕食する大型のクモで、脚まで入れた全長は10㎝をこえることもあります。アシダカグモの平均寿命はオスが約3~5年、メスが約5~7年程度で、日本ではメスは1年に2回産卵を行います。
アシダカグモは卵を糸で包んだ円盤状の卵嚢を口にくわえて持ち運び、子供が孵化するまで親クモは、餌を食べずに持ち歩くことが知られています。孵化が近くなると、アシダカグモは卵嚢を壁などに親クモがはりつけて、近くにいてじっと見守るという習性があります。
アシダカグモの子供は、孵化したあと風通しが良い場所へ移動して、腹の部分からやや長めの糸を出して風に乗って糸とともにあちこちへ飛び散ることが特徴です。このような風船のように風に乗って飛ぶ姿を蜘蛛のバルーニングと呼びます。
アシダカグモの子供が大人のサイズになるまでには、メスは約10回、オスは8回脱皮することが普通です。アシダカグモの子どもの大きさは大変小さく、5mm程度です。足も細く小さいことと色が薄いことから、アシダカグモの親と比べると見た目がいかつくはありません。
アシダカグモは、産卵時に数百の卵を産むといわれていますが、全てが大人になることができるわけではなく、途中でえさが無くて死んでしまったり、自分よりも大きな生き物に食べられてしまったりすることがあります。
アシダカグモは子供の頃から生きた虫をえさにするため、ハエや小型の蛾、チョウやダンゴムシなどをとって食べていると考えられています。小さな子供のうちは、えさを取ることが大人と比べると下手なので、基本的には生きた虫などを食べているのですが、えさにありつけていない時には、死んだゴキブリなども食べることがあります。
アシダカグモの成虫は単体行動だけど子供は数が大量で群れる理由
アシダカグモは単体行動だけど、子供は数が大量で群れて行動することもあります。アシダカグモのメスは、年に2回の産卵を行い、一回の産卵で約300個程度の卵を産みます。アシダカグモのメスのお腹部分から出る糸を使って卵をまとめる円盤状の卵嚢を作り、卵嚢を口にくわえて持ち運ぶ性質があります。
卵嚢の中にいるアシダカグモの子供の孵化が近づいてくると、卵嚢ごと壁などに貼り付けて、親はしばらく卵嚢を見守ることが知られています。アシダカグモの成虫は、基本的に群れを作らず、単体で行動します。大きなアシダカグモを見たことがある人は、1匹で行動している親クモを見たのではないかと思います。
アシダカグモの親は群れを作りませんが、子供は群れを作って移動して、風通しが良い場所に行きます。300前後のアシダカグモの卵が孵化するので、孵化直後は子供の数が大量で、群れを作っている状態です。
アシダカグモの子供は群れのまま風通しの良い場所まで移動した後、おなかから糸を出して、糸を体から出したまま風を受けて飛ばされて、ばらばらになります。
アシダカグモの子供が群れになっているときに、近くで敵や人間の攻撃を受けたり、殺虫剤をまかれるなど危険を察知すると大量の子供の群れが一斉に逃げ出すことがあります。大量の子供が一斉に散らばっていくため、クモの子を散らすという表現が生まれました。
クモの子を散らすという言葉は、アシダカグモの子供が蒸れているときに危険を感じて、一斉に逃げ出している様子なのです。おなかから出ている糸で風を受け、風に乗ってあちこちに飛ばされた後には、再び群れになることはなく単体で行動してえさを捕獲し成長していきます。
アシダカグモの子供が10回ほどの脱皮をする間に、孵化した時には5㎜程度だった子供は、10㎝をこえるほど大きくなり、日本の家にいるクモの中で最大と言われるほどの成長をするのです。
アシダカグモが大人になるとゴキブリを捕獲してえさにするため、ゴキブリがいる家に巡回するようになります。アシダカグモは捕獲力がとても高く、多い時には一晩で10匹ものゴキブリをとると言われています。
クモが嫌いな人は多いのですが、アシダカグモを駆除しても、ゴキブリがいると再び発生することが多く、ゴキブリがいない家には発生しないことが多いようです。アシダカグモは、ゴキブリをとってくれることから人間にとってメリットがある益虫と言われ、飼育している人もいます。
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