モンシロチョウ
記事内に一部プロモーションを含みます。

モンシロチョウ幼虫の寄生虫アオムシコマユバチを防ぐ方法

モンシロチョウ幼虫に寄生するアオムシコマユバチは非常に厄介な寄生虫となっており、いちど寄生をされてしまうとこれを除去することは不可能です。寄生というとても計算された方法がこの自然界の摂理によって確立されているためです。

この記事を読むと、様々な昆虫の生態と食物連鎖の厳しい現実を理解することができるほか、その生態の仕組みの解説と共にモンシロチョウ幼虫の寄生虫であるアオムシコマユバチを防ぐ方法を知る事ができます。

モンシロチョウ幼虫の寄生虫アオムシコマユバチとは

モンシロチョウ幼虫の寄生虫アオムシコマユバチとは、いったいどういったハチなのでしょうか。モンシロチョウに限らずチョウの類の幼虫には、様々な昆虫が寄生することが少なくありません。

その中でもモンシロチョウの幼虫に寄生するアオムシコマユバチは非常に特殊な性質を持っており、モンシロチョウの幼虫が好んでキャベツの葉などを食べるという習性を知っており、この跡を探索してモンシロチョウの幼虫を探すと言う生態習性を持っています。

そして、モンシロチョウの幼虫の体内に約80個の卵を産み付けるとともに、体に異物が入ってきたことを感じる神経を麻痺させるための毒素をアオムシコマユバチが注入し、反応を鈍らせることで卵の成長を促す効果を与えることになるのです。

アオムシコマユバチの子供はこのモンシロチョウ幼虫の中で内部を食い荒らしながら成長し、最終的には14日ほどで外に飛び出して繭を作り成長することになります。

基本的にモンシロチョウの幼虫の体内では、寄生虫アオムシコマユバチの外敵がいないため約80個の卵はすべて成長し繭(まゆ)を作ることになることからその生存率は非常に高いものとなっているのが特徴です。

自然界では一般的に、昆虫の卵を植物などに産み付けてもそのほとんどが外敵の餌になってしまったり、自然環境に耐えられずに卵が死滅してしまうことが多いのです。

しかし、アオムシコマユバチはモンシロチョウの幼虫の体内といった豊富な栄養素を持ったところに卵を産み付ける性質を持っているため、産み付けられた約80個の卵は外敵のいない安定した環境の中で成長することになるのです。

なお、アオムシコマユバチは繭(まゆ)を作るまでは、生まれた卵のほぼ全てが成長することになりますが、その全てが寄生することによって成虫となるわけではありません。

アオムシコマユバチの幼虫が繭を作るためにモンシロチョウの幼虫の体内から外に出た段階で外敵に食べられてしまったり、また繭を作った後で他の蜂の類に寄生されてしまうことが多いため、実際には成虫となるのが非常に少ないのが特徴です。

このように他の昆虫などに寄生して成長をするケースが蜂の子供の場合には比較的多く、様々な虫の栄養素を搾取して最終的にはその本体を食い荒らし成長するという例があちこちに見られます。

モンシロチョウの寄生虫であるアオムシコマユバチは繭(まゆ)を作るまでは非常に安心して自分自身の成長をすることができる仕組みとなっていますが、自然界の連鎖は決して甘いものではなく、外に出た段階で様々な外的に襲われてしまうことからそのバランスが取れていると考えられます。また、アオムシコマユバチが成虫になってからの生存期間は非常に短いのも特徴です。

モンシロチョウ幼虫を飼う時に寄生虫アオムシコマユバチを防ぐには

モンシロチョウ幼虫を自宅などで飼育するときには、どうしてもこの寄生虫アオムシコマユバチを阻止したいものです。モンシロチョウの幼虫を寄生虫アオムシコマユバチからしっかりと守り安心して育てるためには、できるだけ外気に触れない中で育てることが1つの方法となっています。

しかし、アオムシコマユバチの親は非常に敏感な感覚で卵を見つける相手を探すことができるため、確実に寄生虫からモンシロチョウの幼虫を守る事が非常に難しいものとなっているのが実情です。

自然界でモンシロチョウの卵を発見することは非常に難しいですが、卵の状態から孵化させて幼虫に育てることができれば比較的安心といういことができます。例えば、外からモンシロチョウの幼虫を手に入れた場合には既にアオムシコマユバチに寄生されてしまっていることも多いため、この場合には防ぐことができないのが一般的です。

モンシロチョウの幼虫はキャベツの葉を食べる性質を持っており、この性質をアオムシコマユバチの親は知っているため常にその状況を観察するとともに、見つけるとすぐに卵を見つける習性を持っています。

そのためモンシロチョウの幼虫を守るための最も確実な方法はモンシロチョウの幼虫をアオムシコマユバチに近づけないことを重要視しますが、一般の自然界で生存している限りはこのような環境を作る事は非常に難しいのが実態です。

そのため、外気から遮断された室内の容器の中でモンシロチョウの卵を孵化をさせ、さらに成虫になるまで注意深く見守りながら育てていくのが最も現実的な方法となっているのです。

その他の対策方法として、販売されているモンシロチョウの幼虫を購入して育てるという事は一般的に行われるものですが、この場合にもあらかじめ寄生虫が存在していることも十分に予測しておかなければなりません。

モンシロチョウの幼虫を購入する場合には、どこかの段階で既に寄生されている可能性があるためです。いちど寄生虫がついてしまうとモンシロチョウの幼虫はこれを自ら除去することができず、最終的に体の全てを食い荒らされて死に至ることになってしまいます。

モンシロチョウの幼虫は寄生されるのを自ら防ぐ方法がない理由は、アオムシコマユバチの親がモンシロチョウの幼虫に卵を産みつけると同時に異物が混入していることを感じさせないような、感覚を麻痺させる毒素を注入しているためです。

そのため食い荒らされて体全体がアオムシコマユバチの子供だけになっても痛みや異物の感覚を感じない状態となってしまうのです。もし、モンシロチョウの幼虫を複数飼育していて寄生虫がついている状態を発見した場合には、既に寄生されたモンシロチョウの幼虫を排除することが非常に重要です。場合によっては他に移動してしまう可能性があるためです。
関連記事
モンシロチョウの丸わかり解説

モンシロチョウの丸わかり解説この記事では、モンシロチョウの昆虫について気になるポイントをピックアップして丸わかり解説を端的に行っていきます。 モン...