カブトムシがサナギになる前兆と蛹から成虫までの間に、注意すべき飼育条件をご存知でしょうか。幼虫から成虫に変化する昆虫は、成長過程に重要なポイントがあって、そのプロセスが人に感動や命の素晴らしさを教えてくれます。
また、カブトムシの変化を観察することで成長のタイミングが理解できたり、どのような過程を経るのか理解が深まります。ただ単にカブトムシを育てるのではなく、良く観察しながら飼育を行うことで、愛着が湧いたり飼育の楽しさが強くなるものです。
この記事を読むと、カブトムシがサナギになる前兆と蛹から成虫までに注意すべき点がわかり、飼育するにあたって立派な成虫へ育てやすくなります。
カブトムシがサナギになる前兆
カブトムシがサナギになる前兆には、ワンダリングという独特な行動があります。ワンダリングとは、方向を見失い円を描き彷徨う様子のことで、環形循環ともいいます。昆虫の場合は、ただ意味もなくグルグルと回るのではなく、何らかの理由が存在するわけです。
そのワンダリングの理由の1つがカブトムシの幼虫がサナギになる前兆で、幼虫が空間内で彷徨い始めれば可能性が高まっているといえます。しかし、土マット交換直後や水分の与え方によっても、カブトムシの幼虫がこのワンダリングをするケースが存在します。
土マットの交換直後は、その表面から不活性ガスが出るので、その影響で苦しみや不快を感じたカブトムシの幼虫が動き回ります。また、飼育ケースの容器内の酸素が減って苦しくなる場合も、同様にカブトムシの幼虫がワンダリングを行うので大丈夫かどうかの観察が必要です。
水分を過剰に与えたときは、水分が酸素の透過を邪魔してしまい、土マットの腐敗が生じてカブトムシの幼虫が餌を食べられない状態になります。つまり、ワンダリングはカブトムシがサナギになる前兆とは限らないので、そこを念頭に原因を確かめることが大切です。
本当にカブトムシの幼虫がサナギになろうとしている場合は、ワンダリングをしながら土の中への移動を行い、蛹室に適した場所を見つけて落ち着きます。ところが、飼育ケース容器や土マットに問題があると蛹室を作れなかったり様々な異常が発生します。
もし、土マットや飼育ケースの環境が悪かった場合には、カブトムシの幼虫がサナギへの準備のために土マットの中に蛹室を作ってもどこかへ移動してしまい、何度も繰り返したり土マットの表面に出てくることさえあります。
そのため、土マットを適切に詰めたり酸素や水分を適度に与え、カブトムシの幼虫にとって居心地の良い環境を早く作ってあげることが、幼虫からサナギへのスムーズな成長移行に繋がります。
カブトムシが蛹から成虫までの注意点
カブトムシの蛹から成虫までの注意点としては、蛹室を壊さないように注意して、なるべく触らないように見守ることです。それと、脱皮には十分な広さが欠かせませんから、どうしても部分的に土マットを触らないといけない場合にはくれぐれもカブトムシの幼虫が作った蛹室を崩さない配慮が重要です。
カブトムシが成虫になるまでの期間は約2ヶ月ほどなので、この間の飼育方法が、上手く成虫になれるかの鍵を握ります。蛹は、カブトムシにある複数の成長段階においても、特に弱く移動すら困難な程デリケートです。
それだけに、カブトムシにとって安定した環境を維持することが何よりも大切で、蛹から成虫まで心掛けておきたいポイントでもあります。蛹は勿論、カブトムシの蛹室も触らないように気をつけるのと、刺激を与えないために土マットも安易に替えない方が良いです。
カブトムシのさなぎとなっている間の飼育温度は幼虫と変わらない20℃台前半で、羽化が始まり成虫になるまでじっと待つのが飼育する人にできることです。もし、カブトムシの蛹室が上手に作れていないとしたら、それは土マットの水分量に問題があり、ケースの深さも足りていない恐れが強いです。
カブトムシにとって、蛹室を作るのはかなりの大仕事で、命がけと言っても言い過ぎではないほどの作業工程です。カブトムシの蛹の状態は、大仕事を終えてじっくりと体力の温存を行い、十分に成長してから成虫になるまでの準備期間です。
そのためカブトムシの蛹から成虫までに蛹室が壊れるようなトラブルが起こると、蛹は順調に成長できずに、成虫になれない恐れが出てきます。万が一、カブトムシの幼虫が作った蛹室に問題が生じてしまった場合は、元の大きさと同じ空間が再現できる容器に蛹を移して、最悪の結果を避けることが大事です。