ヤゴのエサにダンゴムシやアリ、そしてエビを与えるとどうなるかご存知でしょうか。ヤゴは自然界ではほとんどの水生生物や水辺の昆虫を食べて暮らしていることから、どんなものでも良いとイメージしてしまいますが、実はデリケートでなかなか餌を食べてくれないことがあります。
しかし、近隣にヤゴのエサとなる水生生物や昆虫を捕まえられる環境であれば良いものの、都会では常時確保するのは一苦労で比較的入手しやすいダンゴムシやアリ、エビなどを餌の代替えにできないかと考える方も少なくありません。
この記事を読むと、ヤゴのエサとしてダンゴムシやアリそしてエビを代用して与えるとどうなるのかを詳しく知ることができます。
ヤゴのエサにダンゴムシとアリを与えるとどうなるか
ヤゴのエサとして、ダンゴムシやアリを与えるとどうなるのかご紹介していきます。ダンゴムシやアリは主に土のある場所に生息しており、都会でも庭や公園などに行けばすぐに入手することが可能です。
特に自宅の庭にこれらの虫が発生して駆除に困っている場合には、ヤゴのエサとして与えて減らすことができれば助かると考える方も少なくありません。ヤゴは水生生物や水辺の小型昆虫を好んで食べることから、陸上に棲んでいる生物はエサにならないのではないかと考えてしまいがちです。
しかし実際にヤゴは、生きている生物であれば何でも食べる可能性があります。ヤゴは動くものに反応して食いつく習性があり、目の前で動いていれば何でもエサになり得ます。
自然界では決して積極的に陸上の昆虫をヤゴが好む訳ではありませんが、何らかの事情でダンゴムシやアリが水辺に落ちて目の前に現れると捕まえて食べることがあります。
このヤゴの捕食習性を利用し、水槽にダンゴムシやアリを入れて水中でもがいていると、その動きを見てヤゴが反応し食いついてきます。ここで注意したいのが必ずダンゴムシやアリが水中で動いていることが重要です。
もしもダンゴムシやアリが死んだ状態で水槽内に投入して少しも動かずに水槽の底へと沈んで行くのであれば、どんなにヤゴがお腹を空かせていても見向きもしないことがあるため、生きている状態で投入することが大切です。
ただし、あくまでもヤゴの好物は水生生物や水辺の昆虫であります。ダンゴムシやアリが身体は、比較的硬いことから食べるのにも時間がかかってしまうこともあり、何度も同じ生物を与え続けていると食べてくれない場合もあるため、可能であれば時々水生生物を与えるようにしたいところです。
ヤゴのエサにエビを与えるとどうなるか
ヤゴは水生生物を好んで食べることからエビは大好物で最適なエサだと考えてしまいがちですが、実際に与えるとなるとさまざまな問題が生じることがあります。
多くのヤゴは比較的大人しい性格で、エサを食べるのも目の前に動いているものに反応するという習性を活かし、すぐに捕まえられる範囲にいる水生生物であることがほとんどです。
その一方でエビのような広範囲を素早く動き回る水生生物を捕まえられるのは、やや攻撃的な性格で目標を的確に捕らえる鋭い爪や、硬い甲殻を噛み砕くことができる発達した強いアゴを持っているギンヤンマやオニヤンマのヤゴなど一部の種類に限られています。
また、これらの大型のヤゴは、水草に留まって様子をうかがい隙を見てジャンプして水に飛び込んで捕食するという動きをすることから飼育する環境も整える必要があります。
一般的な水槽の中に長時間にわたり留まっている間に掛かるヤゴの体重と、ジャンプをして水中に飛び込むために踏み切る荷重に耐えられる水草を用意するのは困難で、仮に用意できたとしてもお手入れが大変です。
しかも、自然界とは大きく異なる環境の中で必ずしも捕まえられるとは限らないため、捕食が苦手なヤゴの個体であればお腹を空かせてしまいます。水生生物であれば何でも食べるヤゴにとってエビは有用なエサになり得ますが、捕食ができる種類が限られていることに加えて飼育環境の用意も難しいことから時々与えて捕食する動作を観察したい場合を除き、通常は他の水生生物を用意するのがおすすめです。