スズメバチ

オオスズメバチの天敵ハチクマって知ってる?

オオスズメバチ天敵であるハチクマという動物をご存知でしょうか。オオスズメバチとはスズメバチの仲間で、世界最大級かつ最強の蜂の種族です。オオスズメバチの分布を世界規模で見れば、インドから東アジアにまで生息しています。

日本でもオオスズメバチは全国各地で生息していて、その毒は国内で確認されているハチのなかでもトップクラスの強さです。人間だけでなく、他の動植物への悪影響が懸念されるオオスズメバチですが実のところ天敵が存在します。

その代表的なオオスズメバチの天敵の存在で挙げられるのは、猛禽類の一種に分類されているハチクマという鳥です。この記事を読むと、オオスズメバチの天敵であるハチクマがどうして強力な毒をもつ昆虫のオオスズメバチに太刀打ちできて刺されずに済むのかその理由がわかります。

オオスズメバチの天敵ハチクマとは

オオスズメバチの天敵として有名なハチクマは、とても個性的で強靭な鳥です。ハチクマはタカの仲間ですが、体の大きさはトビとほとんど変わりません。ハチクマのオスであれば体長が約57cm、メスであれば約61cmとなっています。ハチクマの翼開長は約135cmであるものの、その全長は猛禽類からすると小型です。

ハチクマの体の色など個体の差がはっきりしていますが、オスは茶色い眼と黒い帯をした風切羽をしています。ハチクマのメスの場合は羽の帯の形が細くなっており、眼は黄色いです。

ハチクマの名前の由来は文字通りハチと関わりがある事、もといハチを主食にしている鳥である事が理由に挙げられます。しかしそれだけでなく、クマタカに似ている事も名前の由来です。クマタカは国内で確認されている猛禽類のなかでも獰猛であり、森の王者とも呼ばれています。

近年における土地の開発の影響を受けて繁殖に失敗してしまうハチクマが多いらしく、徐々にその姿を減らしているので絶滅危惧種に指定されているところも特徴的です。

ハチクマの場合は、先述したように猛禽類のなかでもその小柄さゆえに大型の鳥に襲われてしまう事もしばしばあります。そんなハチクマは、日本では夏鳥に分類される渡り鳥です。初夏になれば国内で繁殖し、冬が近づくとハチクマは日本からアジア大陸インドを目指します。

ハチクマの繁殖もとい子育てをする環境は森林山岳地帯が主で、5月から6月のうちに木の枝や葉で巣をつくっていきますが、渡来した直後に子育てに専念するという事はかなり時間を要しているものです。

ハチクマが無事に卵が孵化するまでにかかる日数は28日から35日、巣立ちまでは35日から45日、そして巣立ってから独立するまで30日から60日かかるとされています。たとえ5月に渡来したとしても、9月から10月まで日本にいなくてはいけない計算です。

また、ハチクマは冬になると日本から飛び立たなくてはならない事を考えると、生まれた子供に早く成長してもらわなくてはなりません。そうした経緯からハチクマはハチを主食にしたと考えられています。

ハチの巣はとても栄養価が高く、オオスズメバチの巣は格別です。国内でも「はちのこ」と言って食用扱いにしたり、毒針を抜いた成虫を焼酎につけこんだりしています。もっともハチクマはオオスズメバチだけを捕食しているのではなく、カエルといった小型の生き物や動物も食べているのが確認済みです。

ハチクマがオオスズメバチに刺されない理由

ハチクマがオオスズメバチの天敵である理由は主食にしている事も挙げられますが、ハチクマ自身がオオスズメバチに刺されない事こそが天敵である最大の理由です。ハチクマは、オオスズメバチの巣を襲う際には他の個体と協力して時間をかけて啄んだりします。

小さなオオスズメバチの巣であれば1日中に、大きな巣であれば1か月もかけるほどです。そうなると当然、オオスズメバチの成虫たちは黙っていません。熊すら恐れる持ち前のオオスズメバチの毒針集団の力で襲い掛かりますが、毒針など気にせず平気な顔で巣を解体して自分の餌にしてしまうのがハチクマです。

オオスズメバチの巣を解体している間は毒針を刺されてハチから襲われているのに、ハチクマには毒が効かないのは何故だろうか。それはハチクマの羽に秘密があります。実は個体差がありますがハチクマの羽は鱗のように密集しているうえに太く頑丈で、顔の部分にも小さな羽毛が幾重にも密集しているのです。

一方、オオスズメバチの天敵のひとつとして挙げられるも体毛が密集しているうえに筋肉が厚い動物であるものの、スズメバチの針から守れる鎧にはなっていません。けれどもこのハチクマという鳥の体毛はウロコのように硬く密集して厚みがあるおかげで、オオスズメバチの毒針から身を守れているわけです。

元々ウロコは動物の体を攻撃や自然環境から守る役割がありますが、最も発達しているのは魚類です。進化の過程で厚さは薄くなったものの、皮骨と呼ばれる骨格でもあります。同じくウロコを持った生物として爬虫類が代表的ですが、こちらは骨格ではなく、あくまで角質化した皮膚です。

爬虫類の場合は主に柔軟性に優れており、防御力よりも天敵と遭遇した際に容易く逃げられるような仕組みの1つとなっています。いずれにしても、生物におけるウロコとは防御である事に違いないです。

ちなみに鳥類では足の部分がウロコに似た模様があるため、祖先である爬虫類の名残ではないかと考えられています。ところでオオスズメバチを始めとしたスズメバチは獲物に対して執拗な攻撃を仕掛ける事で広く知られていますが、相手が天敵のハチクマだと数時間もすれば反撃を諦めてしまいがちです。

それどころかオオスズメバチが巣そのものを放棄してしまうケースも確認されています。この理由については残念ながら未だに証明されておらず、「ハチが嫌うフェロモンや体臭をハチクマ放っている」など仮説が立てられているだけです。

なおミツバチには興味がなく、もし見つけたとしても好奇心でつついて蜜を少し食べたり悪戯したりする程度とされています。
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