ヤゴは脱皮前と脱皮後でどれほど成長して、要する時間が具体的にどれくらいなのか気になるポイントではないでしょうか。ヤゴはトンボになる前の段階の幼虫ですが、トンボの形はしていません。
しかもヤゴが生まれたばかりは「前幼虫」と言われる段階があり、その時点ではなんの昆虫なのか判別できないことが多いです。ヤゴの脱皮後と脱皮前では、トンボの種類によってそのかかる時間が異なり、一律ではありません。
中には越冬をするヤゴもあり、脱皮の回数も幅があるのが特徴となっています。この記事を読むと、ヤゴがトンボになるためにどのくらい脱皮をして羽化するまでにどのくらいの時間がかかるのかを具体的に知る事ができます。
ヤゴが脱皮前と脱皮後でトータル何回の成長を繰り返すのか
ヤゴは脱皮前と脱皮後では、トータルで何回の成長を繰り返すのかをご紹介していきます。ヤゴは、トンボの幼虫です。トンボの種類によってその生態が個々に異なっており、ヤゴの大きさも成長過程も種類毎に違ってきます。
トンボのヤゴの種類が違っても1つだけ共通している点としては、卵から孵化したばかりのヤゴは「前幼虫」といい、昆虫かどうか判別がつきにくい動物性プランクトンみたいな形をしています。強いて言えば、うまれたヤゴの前幼虫はどちらかといえばエビに似ております。
その前幼虫が一回目の脱皮をするとやっとしっかりとしたヤゴの形になり、自分と同じくらいの大きさの微生物などを食べるようになります。ヤゴの脱皮前と脱皮後の成長過程も違うのは、トンボならではの特徴と言えます。
ヤゴの脱皮の回数も小型トンボや大型トンボの種類によって異なりますが、トンボの王様で知られているオニヤンマのヤゴは15回、赤とんぼとも呼ばれるアキアカネのヤゴは8回脱皮をします。日本において一番見ることの多いクロイトトンボのヤゴは、10回と意外と多く脱皮をしているのが特徴です。
ヤゴの種類によって、上記の様に脱皮後と脱皮前の期間もそれぞれ異なります。大きなトンボのヤゴの方が比較的ヤゴとして過ごす時間が長いことが多く、オニヤンマのヤゴは2から4年で冬を越すことができます。一方のアキアカネは、越冬をすることはなく3から6か月間ヤゴの状態でいます。
この2種のトンボの間であるのはクロイトトンボで、クロイトトンボの場合、越冬するヤゴもいれば冬越しないヤゴもいます。しかも、同一のトンボの種類なのにヤゴの脱皮前と脱皮後の期間も1か月半のものもあれば1年かかってやっと成虫になるものもあります。
ヤゴの個体によって違うので、長い期間クロイトトンボを見続けることができ、外敵からも生育を邪魔されないため日本でも最も見ることが多い昆虫です。
ヤゴが1回の脱皮に所要する時間と変化について
ヤゴの脱皮に所有する時間は、トンボの種類によって違います。独特な大きさをしているオニヤンマのヤゴは、全部で15回の脱皮になりますが、1回目の脱皮は約1.7mm程度に対し15回目の脱皮では5cmとなっており、脱皮の回数のわりに1回ごとの成長スピードは思ったほど早くありません。
オニヤンマのヤゴは平均して3年越冬をするので、そういったことを考えると、1回ごとの時間がかかっているのがわかります。アキアカネのヤゴの場合は、全部で8回の脱皮を行っており、その体長は約1mm~1.8cmほどになります。アキアカネのヤゴの1回の脱皮にかかる時間は半月ほどで、体長も2mmずつ大きくなっていきます。
アキアカネのヤゴの成長スピードは、オニヤンマのヤゴよりも遅いものの、8回の脱皮でトンボへと羽化するので越冬もしなくて済みます。クロイトトンボのヤゴは、個体によって差が大きいです。
クロイトトンボのヤゴは体長が1.2mm程の大きさで最終的にアキアカネの羽化した状態ほどになりますが、1か月半で羽化してしまう場合は1回に所要する時間は短く、あっという間にどんどん成長していきます。
クロイトトンボのヤゴの成長は、遅いものは1年ほどの時間がかかりしかも越冬をすることもあるので、ゆっくり成長している場合は異常ではなく、そういった個体のクロイトトンボだと理解をすると良いでしょう。
ヤゴはトンボの幼虫でありながら、ヤゴの姿もまったくもって違う形をしていますし、水中や泥の中で生活をするため、なんの昆虫なのか判別しにくい部分があります。越冬をするオニヤンマのヤゴなどは泥の中で生育していることも多く、時として枯れ葉の間に身を潜めていることもあります。1年を通してみられるのも特徴と言えます。