タガメの味と臭いは、その見た目とは裏腹にとても凄まじいほどのギャップがあることをご存知でしょうか。今や昆虫の食用化という話しは珍しくありませんが、少なくとも日本人にとっては昆虫食自体の馴染みが薄く、見た目のインパクトさでまず口にする抵抗感を覚えるものです。
更に、食感は見た目から想像しやすく、反対に香りなど具体的な臭いそのものは全く想像できないことが余計に食材としての拒絶反応を強めています。しかし、近年は食糧事情の変化から食用昆虫に注目が集まり、日本でも昆虫の食感などが気になる人が少しずつ増えている状況です。
東南アジアでは昆虫が普通に食されていますが、日本ではまだまだですから、いわゆるキワモノ扱いなのは仕方がないといえます。この記事を読むと、タガメの味と臭いの凄まじいギャップについて衝撃の事実がわかります。
タガメの味に魅了された国々について
タガメの味に魅了された国々は、どの地域のどの国なのか気になるポイントです。東南アジアでは、タガメの味が国民の間で日常食として定着していたり、魅了されてしまっている国々が存在します。
ベトナムやタイでは既にタガメ料理は定番食材ですし、エビのような食感が好まれ、揚げ物料理にされることが珍しくないです。タガメ料理の風味の表現は様々ですが、フルーツのような甘い香りと、同じくジューシーさを思わせる味が好まれています。
タガメの味はその見た目のインパクトさからは全く想像出来ない洋梨やりんごに近いと言われていますから、日本人でも何とかイメージとして近い味の想像ができるかと思います。
ただ、タガメ料理はエビに似た食感で梨やリンゴのような風味と言われても、タガメ料理自体が近年の日本において馴染みが薄い食文化であるのは事実です。事実といえば、これらのタガメ料理が東南アジアにおいて高級食材に位置づけられているという面白い話もあります。
タイやラオスなどの国々では特に、タガメが高級食材として取り扱われていますから、タガメ料理は少し贅沢な食用昆虫だといえるでしょう。これらの昆虫の販売は主に屋台で行われていますが、加工した調味料や昆虫食品はスーパーなどで販売されます。
中国においてはタガメが漢方に使われるほどなので、日本以外では割とタガメという昆虫がポピュラーな素材です。タガメの栄養価的には肉に近いですし、完全栄養食品の卵と遜色ありませんから、今後食糧難が発生した場合に更に高値で取引されています。
実は、あまり知られていないですが日本でも以前は一部の地域でタガメが食用とされてきました。現在は昆虫食そのものがマイナーなので、ここ日本では一般的に食べられる機会は少ないものの昆虫食専門店などでタガメ料理が提供されています。
日本はタガメ料理がまだ魅了されている国とはいえませんが、それでも高級食材なのは間違いなく、見た目の大きさに対して価格が高めの傾向です。欧米でも少しずつタガメ料理が浸透し始めていますし、マイナーでしかも流通量が限られるので、日本と同様に高級食材の位置づけです。
タガメ料理が広く食べられている東南アジアでは当然ながら高級食材なので、それ以外の地域の国々ではもっとタガメ料理の価格が高い状況だと考えられます。タガメの味はわかりやすいフルーティーさがベースですが、醤油などで調理して食べる方法が定番です。
タガメは油で揚げれば香ばしさが増しますし、食感も魅力を増しますから、その美味しい味に魅了されている国々が少なくないのも納得です。ところが、昆虫食を食べ慣れていない人にとっては強烈なので、もし実際に口にするのであれば、第三者の評判は鵜呑みにしない方が良いでしょう。それよりも、自分の感覚を信じてタガメを口にすることが、食用昆虫の魅力を体感的に理解するキッカケとなります。
タガメの臭いは外見とは裏腹に良いという衝撃
タガメの臭いは外見のインパクトさとは裏腹に、実は良い意味でとても衝撃的です。タガメの分類的にはカメムシの仲間ですから、やや特徴的な臭いを発しますが、私たち日本人が想像するカメムシの臭いとは完全に同じというわけではないです。
また、タイなどの国ではカメムシの臭いがポジティブに捉えられていて、日本では忌避されやすいカメムシが受け入れられています。実際に口にした人達の間では、ミントのような風味が感じられたり、まだ熟していないバナナのようだと表現されます。
ただし、タガメがフルーティーといっても甘ったるい臭いではなく、タガメは爽やかさを感じさせる芳香としての臭いの特徴が強いです。感じ方は人それぞれ個人さがありますが、洋梨やりんごと表現する人が珍しくないので、本物のタガメを目にしたことがない人でも、何となく香りを想像できるはずです。
タガメの風味を特定の1つの果物に絞り込めないとしても、様々な果物が加えられたトロピカルドリンクを頭に思い浮かべれば、理解するヒントが得られるでしょう。つまり、いかにも昆虫という外見に裏切られるかのように、タガメはフルーツに限りなく近い芳醇な香りを持っています。
同時にタガメの味がスパイシーと感じる人もいますから、甘いだけのフルーツよりは、複雑な香りを秘めた新しい食材と表現できます。時にそのスパイシーさは強烈で、火を加えた後のタガメは目に染みるような臭気を発します。
タガメ料理はパリッとした皮の歯ごたえと、噛み切れる身のギャップがあって、東南アジアを中心に美味しいと評価されているのは確かです。ただ、タガメをはじめ昆虫食は既存の食材のいずれとも異なるので、食べ慣れていない日本人にとっては、視覚や嗅覚に味覚で感じ取る何もかもが衝撃的です。
タガメ自体が不味いかといえばそうではありませんし、美味しいと断言するのも口に入れた直後では思考が追いつかないので難しいでしょう。しかし、タガメを食べ慣れるとその美味しさがわかり始め、フルーティーな臭いやスパイシーさも受け入れられるようになります。
全体的にタガメは主張が強い昆虫なので、見た目にまず食材としての抵抗感を覚えるのは普通です。次に感じるのは香りですが、決してただ不快な臭さを感じるのとは違い、むしろタガメは果物の好ましい香りのように感じられます。カメムシに近いので臭気は少し強めですが、ミント系の少しスーッとする香りが苦手でなければ、その抵抗感が薄まる可能性が高いです。
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