モンシロチョウの幼虫のエサや育て方は、けっこう難しく四苦八苦している方は多いのではないでしょうか。モンシロチョウは華麗な昆虫の代表ともいえる存在ですが、あの美しい成虫の姿になるにはモンシロチョウの幼虫の状態から立派に成長する必要があります。
しかし、人間がモンシロチョウの幼虫を育て方を工夫しても、なかなか上手く成功しないケースが珍しくありません。モンシロチョウの華麗な成虫の姿を見られない原因は、適切な方法で育てていなく途中で天国へ行ってしまうことが多いためです。この記事を読むと、モンシロチョウの幼虫のエサの選び方と成虫までの育て方が詳しく理解できます。
モンシロチョウの幼虫のエサやりの注意点
モンシロチョウの幼虫に与えるエサというと、キャベツなどの野菜をイメージする人が多いでしょう。しかし実際には、アブラナ科系の植物をモンシロチョウの幼虫のエサにするのであれば、たいていの場合は問題ありません。
具体的にはモンシロチョウの幼虫のエサとして白菜や大根などが当てはまりますし、ブロッコリーの葉も好んで食べる個体が多いです。基本的には入手しやすい野菜を選んで大丈夫ですが、ただその野菜をエサとして与えるだけではモンシロチョウの幼虫の体に害を与えてしまう場合があります。
まず、モンシロチョウの幼虫に与えるエサとして気にしなければならないのは植物の鮮度です。人間であれば、多少古くなったものを食べても深刻なダメージを負わずに済みます。
しかし、モンシロチョウの幼虫は人間よりも弱い生き物なので人間と同じ感覚でエサを与えてしまうと、致命的なダメージを与えかねないので注意してください。モンシロチョウの幼虫は人間以上にデリケートであることを覚えておきましょう。
モンシロチョウの幼虫は幼い生命体であり、傷んでいる食べ物を体内に入れたときの影響は大きいです。したがって、モンシロチョウの幼虫に与えるエサの鮮度に気を使うのはもちろんですが、その餌を与えた後も気を抜いてはいけません。
葉物野菜などをエサとして与えても時間の経過とともに、虫かごの中でその野菜が傷んでしまうからです。そのため、たとえ大量に野菜が残っていたとしても、定期的に新しいエサに取り替えることが大切なポイントになります。
とはいえ、植物は傷むスピードがとても速いです。忙しく生活していると、こまめにエサとなる野菜を取り替えるのは大変というケースも多いでしょう。したがって、発想を変えてエサとなる植物を長持ちさせるための工夫も行ってみてください。
具体的には、ただ野菜を虫かごの中に置くのではなく、水につけた状態にしておくのも一つの方法です。そうすると、植物は水を吸って数日間は朽ちにくくなります。ただし、水を入れた容器にモンシロチョウの幼虫が落ちないように気を付けなければなりません。
エサを食べながらモンシロチョウの幼虫が転げ落ちないように、空いたスペースを埋める工夫をしておきましょう。また、店で野菜などを買ってきた場合は、農薬に対する注意も必要になります。人間にとっては無害に近い農薬であっても、モンシロチョウの幼虫や他の昆虫にとっては殺虫剤に等しい効果を持つものも多いです。
農薬には色が付いておらず全く臭いもしないので、人間が野菜に対する農薬の有無を判断するのは現実的に簡単ではありません。したがって、無農薬野菜としっかり明示されているものを買うのがベストですが、うまくそれらの野菜を入手できないケースもあるでしょう。明示がないものに関しては、徹底的に水で洗ってから与えることが重要です。
モンシロチョウの幼虫の育て方で注意すべきポイント
モンシロチョウの幼虫の育て方で、注意すべきポイントはその他に環境面が大切となってきます。モンシロチョウの幼虫へのエサの与え方以外にも、育て方において気を付ける点は複数あります。
最も意識すべきなのは暮らしやすい環境を作ってあげることです。エサを与え始める前に、清潔なティッシュや水分除去シートを敷いてあげましょう。なぜなら幼虫の排泄に備える必要があるからです。一般的に昆虫の糞は、コロコロしていて乾燥しているという先入観を持っている人もいますが、モンシロチョウの幼虫の糞は湿り気の原因となります。
モンシロチョウの幼虫のフンは水分をたくさん含んでいるので、そのまま虫カゴに放置していると体と擦れて汚い状態になってしまいます。さらにフンを放置していると雑菌が繁殖することになるので、モンシロチョウの幼虫の健康管理の面で望ましくありません。
そこでポイントになるのは、虫カゴ内をできるだけ水分を除去する環境にすることです。もちろん虫カゴ内をこまめに掃除をして、清潔な状態を維持するのが理想的といえます。
しかし、モンシロチョウの幼虫の排泄のタイミングを予想するのは難しいですし、そもそもフンの排泄の度にそれらを取り除くのはとても手間がかかります。そのため、水分だけでも自動的に除去できるようなシートをし下に敷いておくというわけです。
ただし、一度虫かご内に水分除去シートを敷いたからといって安心してはいけません。モンシロチョウの幼虫は小さいのであまり虫カゴを汚さないと油断しがちですが、ティッシュなど簡易的なものを敷いていただけでは意外とすぐに汚れてしまいます。
モンシロチョウの幼虫は糞をする頻度がとても高いうえに尿もするため、水分は次々と浸透していくのです。そのまま放っておくと、虫カゴ内が湿地のような状態になってしまい、無数の雑菌が繁殖するような状態になりかねません。
そんな不衛生な場所で生き続けられるほどモンシロチョウの幼虫は、強くないので気を付けましょう。汚れの広がりが見えるのであれば、水分除去シートの取り替えのサインです。シートを交換するときのついでに、エサも同時に交換すると良いでしょう。
また、いくらティッシュや水分除去シートを敷いていても、虫かご自体が汚れていくことはモンシロチョウの幼虫を育てている以上どうしても避けられません。虫かごの汚れが目立つようになってきたら、しっかりと水洗いをするのが基本です。
虫カゴの水洗いが終わったら、水滴が残らないように注意してください。虫カゴの中にモンシロチョウの幼虫を戻す前には、十分に虫カゴに付着している水滴を拭いて乾かす必要があります。
なぜなら湿気はモンシロチョウの幼虫の天敵であり、命を落とす原因になりうるからです。一方、乾燥しすぎの環境もモンシロチョウの幼虫には脅威となります。そのため、直射日光の当たらない場所を選んで育てることが大事です。
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