ダンゴムシは生態系の役割として重要な機能をしていて、寿命が意外に長いという事をご存知でしょうか。ダンゴムシと一般的に呼ばれている生き物は、世界中に生息しています。
触ったり刺激を与えるとクルンと丸くなってなって、まさにお団子のような形になることからダンゴムシの名がつけられました。そんな身近なダンゴムシの存在ですが、意外と生態などを知らないという方は多いのも事実です。
この記事を読むと、ダンゴムシの生態系の役割がとても機能的でありそして、いったいどのくらい生きる生き物なのか、その寿命なども詳しく知ることが出来ます。
ダンゴムシの生態系の役割
ダンゴムシの生態系の役割について、詳しくご紹介していきます。ダンゴムシは名前にもムシという言葉が入っているので、昆虫と思われがちですが、実は虫ではなく甲殻類でエビやカニなどの仲間です。
これらのエビやカニなどの生き物とダンゴムシとの共通点はどちらも乾燥に弱いことなので、どちらかというと湿気がある場所を好みます。ダンゴムシの餌になるものは、落ち葉や草などの植物と動物の死骸、魚肉なども好んで食べます。
ダンゴムシの特異な特徴として「交替性転向反応」という性質を持っています。これはダンゴムシが歩くときに左右交互に曲がることで、天敵から逃げやすいという特性で、そのため迷路からの脱出が得意ということで知られています。
また、ダンゴムシが人間の生活に与える影響としては、野菜や植物の新芽を食べるということと、見た目が気持ち悪いという不快害虫としての面があります。しかしダンゴムシ自体は毒もなく、人に噛みつくこともないので、特別人間に害を与えるということは今のところ発見されていません。
一方、ダンゴムシは益虫としての面をもっており、落ち葉や虫の死骸などを食べることで、それらを分解し微生物が食べやすい状態にします。微生物が多く生息している場所の土は、栄養をたっぷり含んだ良い土となるため、地球規模の環境という側面から考えると、ダンゴムシのその生態系の役割は重要であるといえます。
ただし、ダンゴムシは繁殖力がとてつもなく強く、一度に大量発生する確率が高いという面があるのは問題です。なぜならダンゴムシの大量にが増えると、天敵も増えるということになります。ダンゴムシの天敵はクモ、ムカデ、カエルなどの不快害虫であるからです。
なお、家でガーデニングや野菜栽培をしている人にとってはダンゴムシの大量発生してしまう環境条件が整うと、とても厄介な存在となることも注意すべき点です。
ダンゴムシの寿命とダンゴムシの仲間の寿命比較
続いて、ダンゴムシの寿命とその仲間についての比較をしていきます。ワラジムシやヤスデなどダンゴムシに似ている生き物は割と多く見かけますが、ダンゴムシの仲間は大きく分けて3種類存在します。
一般的に多くみられるダンゴムシの仲間はオカダンゴムシ、昔から日本に生息していたコシビロ、ハマの3種類になります。ダンゴムシは、何度も脱皮を繰り返して約3年から5年生きると言われています。
しかしダンゴムシは飼育しやすい生き物であることから、飼育下で好条件の元の寿命では約6~7年と意外にも長生きするものもいます。甲殻類の特徴として脱皮を繰り返すことが長生きの秘訣だと言われています。
体の大きさの割に、エビやカニなど比較的長生きな生き物が多いのもそのためでしょう。ダンゴムシと同じ甲殻類の仲間とを比較してみますと、エビなどの寿命は平均20年、ヤドカリも同じように長生きです。
比較的小さいカニなどの寿命は5年くらいですが、固体によって幅があり、最高寿命になると数十年生きるものもいます。ダンゴムシの場合は、最高寿命といってもせいぜい5年くらいなので、そこまで長生きする甲殻類ではないようです。
しかしヤマトヌマエビなどの小さいエビや、グソクムシなど同じような形態の生き物は、その寿命が1年くらいであるのに比べると、ダンゴムシは長く生きる部類に入るのではないでしょうか。
意外ではありますが、ミジンコもダンゴムシと同じく甲殻類の仲間になります。ミジンコは節足動物であるためですが、甲殻類の中では寿命は一か月と非常に短く、長く生きる個体であっても大差はないようです。
このようにダンゴムシの寿命が想像よりも長生きであり、他の甲殻類の仲間と比較しても体の大きさの割にやっぱり長生きと言えます。